うたた寝ぐらし
vol.3 「ひとりご飯」
わざと、もしくはうっかり心がゆるむ時間を見つけていく、やまのぼりによるエッセイ連載。

やまのぼり
Instagram:https://www.instagram.com/yamanobori_0
1998年生まれ。会社員をしながら文や絵を描いたりフレグランスブランドを開いている。2025年にイラストエッセイ本「ヤマノボリ」を自費出版。
vol.3「ひとりご飯」

リモートワークの日はひとりランチ。
家でかけ蕎麦や卵かけパスタを作って食べることがほとんどだが、
晴れていて機嫌の良い日は外で食べる。
近所の飲食店ではお昼になると、おじいちゃんおばあちゃんかスーツの人々で程よく賑わっていて居心地が良い。
ゆったりとテーブル席に座り、のんびりと腰掛けて待ち、すごい勢いで食べる。
わたしは食べるのが早いので、誰かとの会話の無いご飯はあっという間に終わってしまうのだ。
そんな束の間に、お腹と食欲が脳内で作戦会議を繰り広げる。
こ、このチャーハン美味しすぎる…。
でもあのワンタンラーメンも迷ったんだよな。
半分食べてもまだ腹6分目、追加で注文する?
いや次来たときにとっておこうか。
やっぱり今日頼んじゃおっかな?
だよね、こんなにも美味しいんだもん。
ひとくち、ふたくち、もうひとくち。
ご飯を口に運ぶ度、もっと食べたい、もっとおいしい気持ちになりたいと駆り立てられるような気になる。
誰にも急かされていないのに大急ぎで食べて、あれも食べたいこれも食べたいとわがままを言い、お腹メーターを勘違いする。
ひとりで美味しいものを食べている時は、判断力にゆるみが出るのかもしれない。
そんな私は今、一人でホールのクリスマスケーキを平らげる計画を立てている。
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